痛みは感情に近い性質があるので、十分な説明が重要となってきます。
なぜこの処置が必要なのか? どういう手術・処置を行うのか?
患者さんが納得した上で医療行為を受けてもらいます。
また不安、緊張、ストレスは痛みの閾値を下げる(痛みを感じやすくなる)ため、いかにリラックスさせることができるかが問題になります。
当院では、局麻手術である静脈瘤血管内焼灼術の際には、極少量の鎮静剤、アタラックスP (25mg)1/4Aを静脈注射しています。また手術室の室温を調節し、音楽を流し、モニターの音は小さくしています。また羞恥心軽減のため、ディスポのダブルパンツ(ショーツ、トランクス)をはいて、手術を行っています。
手技に関わる痛みについては、最近の歯科麻酔が参考になります。歯医者さんの麻酔が痛いと患者さんは来なくなります。現在、歯科では局所麻酔薬は加温し、自動注入器によるゆっくりした注入が行われてきています。寒冷刺激による痛みを取り除きます。
当院でも静脈瘤の手術では1%キシロカイン局麻薬を保温庫(40℃)に入れて、32G(リアクトシステム社)の内腔の広い極細針を使用します。局所麻酔を打つ場所には表面麻酔としてキシロカインゼリーを二度塗りしています。また局麻注入部位を予め指で押して、「ここに打ちますよ」と声をかけています。
低濃度大量浸潤麻酔:TLA(0.1%キシロカイン)は20G 針を使用しますが、1%キシロカイン局麻薬と同様に、保温庫(40℃)内で加温し、患者さんの入室時に取り出し、常温 (5-35℃)上限で使用します。
偽薬でも3割程度の効果が期待されるので
「ちょっと眠たくなる点滴が入ります」
「日本で一番細い針を使います」
「麻酔のゼリーで痛みを緩和します」などの声かけは効果的です。
いままでは、上記のような「ちょっとした改善」の効果を判定することは不可能でした。
しかしOPSを使用すると、症例数を重ねるうちに有意差が出るようになると思います。