下肢静脈瘤は成人の10人に1人くらい生じる、女性に比較的多い、一般的な病気です。
症状は、下肢のだるさ、かゆみ、むくみ、つる(こむら返り)、痛みなどです。
生命には直接関係しない病気ですが、放置すると合併症を生じることもあります。
血栓性静脈炎、うっ滞性皮膚炎、下腿潰瘍(写真)などです。治療が遅れると、後遺症が生じたり、色素沈着や皮膚硬化が残りやすくなります。
また生命に関わる他の病気(深部静脈血栓症、閉塞性動脈硬化症、脊柱管狭窄症、リンパ浮腫、心不全など)との鑑別が必要となります。
2011年より血管内焼灼術が健康保険に認可され、標準的治療法となりました。
当院では従来のレーザーに代えて、2014年12月より最新型の高周波(ラジオ波)カテーテル治療を導入しました。内出血や疼痛が非常に少なくなりました。健康保険が適用になります。治療例を示します。
2018年は232件、2019年は247件、2020年は267件、2021年は209件、2022年は175件、2023年は154件の高周波カテーテル治療を行い、治療件数は静岡県でトップレベルです。
2017年4月より下肢静脈瘤センターを開設しました。山本が手術を担当致します。
手術は鎮静剤を少量使用して、局所麻酔で行います。苦痛のない治療を目標に、当院で開発した客観的疼痛スケールであるOPS(Okamura Pain Scale)を用いてリアルタイムに疼痛を評価し、さまざまな改善を行っております。
目立つ静脈瘤は血管内焼灼術と同時に、スタブ・アバルジョン法を用いて、1-2mm程度の創で切除します。この方法では、外来で硬化療法などの追加治療は必要ありません。術後しばらくは色素沈着(黒~茶色)を認めますが、1年程度で創がほとんど目立たなくなります。
2023年4月より毎週木曜日(午前)に初診外来を開いておりますので、お電話でご予約いただければと思います。