病気について

心臓病と遺伝(1)

成人病と遺伝は関係ないのでしょうか

今までは遺伝的背景の比較的わかりやすい事例を述べましたが、成人病と遺伝は関係ないのでしょうか。癌が多発する家系があるのはよく知られています。脳梗塞も、脳血管の動脈硬化ですが、血清コレステロール値などあまり関係なく、高血圧と遺伝的背景が危険因子だと言われています。

心臓病の中で冠動脈の動脈硬化により狭窄や閉塞して心筋が弱ったり壊死してしまう狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患には遺伝的背景はないのでしょうか。

今から60年前の1950年代には米国では心血管病で10万人当たり357人の人が死亡していました。米国人の総死亡の80%を占めておりました。一方日本では同時代は、結核による死亡が最も多く10万人当たり146人死亡し、心臓死は64人で米国の6分の1程度でした。米国では1949年に原因を究明しようという国家プロジェクトが始まりました。有名なフラミンガム研究です。10年かけて心臓病の三つの危険因子を見つけ出しました。よくご存知の高血圧、高コレステロール血症と喫煙習慣です。高血圧も血族内で多く発生しますので遺伝的背景があるのはよくご存知だと思います。高コレステロール血症も家族性高コレステロール血症があり、極端な例は20歳までに心筋梗塞を起してしまいます。ただ、この二つの危険因子は、運動不足や過食、偏食など生活習慣の乱れによっても引き起こされます。その事は戦後から今の日本の発展を見てみれば判ります。車社会の到来、欧米化の脂肪の多い食生活が普及してくるに従い、狭心症や心筋梗塞が増えてきたのです。2000年に10万人当たり117名の人が心臓病で亡くなっており、1950年に比べると倍増しています。遺伝因子だけであれば生活環境の変化で増加することはありませんし、高血圧症や高コレステロール血症の患者さんの血縁者のなかでも全く何でもない人も多いこいとから「遺伝だけではない。」ということが理解できます。虚血性心疾患は多くの因子が絡んで発症するのです。その中の一つに遺伝的背景が含まれるのは言うまでもありません。

また2002年に発表された日本で5万人が参加した高脂血症の疫学調査(J-LIT)がありますが、その中で冠動脈危険因子として1)高コレステロール血症、2)高血圧症、3)喫煙習慣、4)糖尿病、5)低HDL-C血症、6)冠疾患家族歴があげられています。これはこの危険因子が1つ増える毎に、狭心症や心筋梗塞の発症率が2倍になるという因子です。この因子の中にも冠疾患家族歴があり、遺伝的背景があることがうかがえます。ただ、日本において50年で心臓死が倍増した事を考えれば、逆にいえば、生活習慣を見つめ直せば、心臓死を半減できるという事です。遺伝の関与より生活習慣を見直す事の方が死亡率減少には効果的だと思います。

1960年より米国では、高血圧症、高コレステロール血症、喫煙に対して啓蒙活動や撲滅運動を展開してきました。米国の心臓死は1950年には10万人当たり357人だったものが。2000年には258人と100人も死亡率を下げる事ができたのです。日本はこれからです。

各種ご案内

受付時間

午前:月~土
8:00~11:00
午後:月~金
13:30~16:00
午前診察:
一部予約制(初診外来以外は完全予約制)
午後診察:
完全予約制

詳しくは下記をご覧ください。

  • 初診の方
  • 再診の方

診療時間

午前:月~土
9:00~12:00
午後:月~金
14:00~17:00

休診日

土曜日午後・日曜日・祝休日・
年末年始

面会時間

月~金
15:00~20:00
土・日・祝休日
13:00~20:00